365日、いつまでもふたりで
「ちょっとここで買いたいものあるから待ってて」



小さな建物の前で車をとめる。



「買いたいもの?」


「うん。まだ内緒だけど」



あたしの頭をくしゃっと撫でて、車を降りる。

買いたいものってなんだろう。

建物には〝観光案内所〟と書かれていた。
ここでしか買えないものでもあるのだろうか?

竜くん、なにかあれば事前に用意しておきそうだし。



「お待たせ」



しばらくして、車に戻ってきた竜くん。
ポケットにでもいれたのだろうか、なにも持ってはいなかった。



「ここからすぐだから」



そう言って、また車を発進させた。



「この街、来たことないな」


「俺も。札幌からすぐだけど……だからこそかな、あまり来ないよな」



竜くんも初めてきた場所。
竜くんの初めてにあたしも一緒にいられることが嬉しかった。



「でも、綺麗なところだね」


「うん。そうだな」



優しく笑う竜くんにとくんと高鳴る胸。

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