愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
目の前で笑っているのは副社長のはずなのに、どうしてもあの副社長と同一人物だと認識できない。

だって想像さえもできなかったから。こんなに大笑いする副社長の姿を。

ひたすら呆然と副社長を見つめてしまっていると、彼は口元を押さえながら面白そうに話を続けた。


「普通、あんなに綺麗に弧を描いて緒方社長にクリーンヒットするか? しかも緒方社長に笑って許してもらえて、契約まで前向きに検討してもらえるとか、漫画みたいな展開を誰が想像できる?」

――と言われましても、私だって副社長と同じことを思っていますから。

想像さえできなかった。あんな最大のピンチがひっくり返るだなんて。

そこまで話すと副社長はやっと落ち着いたのか、深く深呼吸をした。


「だが結果オーライだったからよかったものの、実際はこんなことあり得ないからな?」

「……はい」

それはもう重々承知しております。たまたまスーパーラッキーだっただけだと。


意気消沈してしまっていると、副社長は「フッ」と笑みを零した後、両腕を組み椅子の背もたれに体重を預け私を見据えた。
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