愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
そう、だったんだ。だから副社長は会社では常にポーカーフェイスだったの?


「仕事はもちろん、副社長としてしっかり、けれど若いからといってなめられないように振る舞うのに必死だった。でもそれは大きな間違いだったようだな。……父さんみたいにならないようにと必死だったけど、経営者は父さんみたいな人の方がいいのかもしれない。感情を表に出して、言いたいことを言って。だけどその分しっかり仕事をするからこそ、部下がついてくるのかもしれない」


自傷気味に笑う彼に、胸がギュッと締めつけられ苦しくなる。


私……入社当時からずっと副社長のことが苦手だった。笑わない人で怖いイメージがあったし、なによりどこかあの人と似ていたから。


でも本当の副社長は違うんじゃないかな。だって私がやらかしてしまった時も、真っ先に頭を下げてくれた。声を上げて大笑いして、今のように悲し気に瞳を揺らして。


ポーカーフェイスな人なんかじゃない。誰よりも感情豊かな人なんだよ。それを隠していただけ。会社のことを考えてそんなことしてしまう、真面目な人――。
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