愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「あ、紗枝ごめん誰か来たみたい」

『うん聞こえた。私もちょうど家に着いたから切るね。早く治してね』

「本当にありがとう、お疲れさま」


紗枝と最後に言葉を交わしながら立ち上がり、通話が途切れたスマホを手にしたまま玄関へと急ぐ。

誰だろう、宅急便とかかな?

頻繁に実家から野菜やお米などが送られてきているから。


仕事で日中家にいないことを知っているから、夜の時間指定でいつも送ってくれていたから、きっと宅急便だろうと思い、パジャマ姿のままドアを開けた。


「すみません、お待たせしま……」

言葉が続かない。だってドアの先にいたのは宅急便のお兄さんではなく、副社長だったのだから。

ドアを開けたまま硬直してしまっていると、副社長は私の様子を窺ってきた。

「悪い、突然来て。……ただ日中、何度か電話をかけたが出なかったから、心配で」

「――え」

電話? 副社長が?
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