愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「えっと、どうぞこちらに。なにか飲みますか?」

「大丈夫。それに言ってくれれば俺が用意するから。お前は? 喉渇いたか?」

リビングに案内し尋ねたものの、逆に聞かれてしまった。

「いいえ私も大丈夫です」


立ちっぱなしもと思いソファに腰を下ろすと、ワンテンポ遅れて副社長も隣に腰掛けた。

たったそれだけのことで心臓が飛び跳ねてしまう。副社長には彼女がいないと聞いたからこそ余計に。

戸惑いを隠せず、無駄に膝の上で手を握りしめてしまっていると、彼が口を開いた。


「さっきの話の続きだけど、金曜日俺の家に来たのは妹の美和子だから。よく週末は家に泊まりに来ているんだ」

「そうだったんですか……」

あの可愛い人は副社長の妹だったなんて。


「よかった……」

「――え?」


なぜか私をガン見してくる副社長。

え……うそ、ちょっと待って! 私ってば今、言葉に出しちゃっていた!?

思わず漏れてしまった本音に、副社長は瞬きを繰り返しながら私を見つめてくる。
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