愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「正直秘書になるまでは、副社長のこと苦手でした。……でも秘書として働くようになって副社長の意外な一面に触れて。優しくて誰よりも会社のことを考えていて。けれど意外と不器用な一面もあって。……麻生さんのことも、このままでいいのかって厳しく言ってくれて嬉しかったです。そうでなかったら、私は今もウジウジ悩んでしまっていたから……」


言葉にして初めて知る。好きって気持ちだけじゃない。私は副社長のこと、尊敬もしているんだって。だからこんなに好きなんだと。


「不釣り合いなのは充分承知しています。……それでも私、どうしようもないくらい副社長のことが好きなんです。彼女がいるとわかっても、嫌いになれなかったくらいに。だから私っ……」


「もういい」

副社長は話の途中で声を被せると、私の身体を抱き寄せた。そして苦しいほど抱きしめる腕の力を強めた。

「もういいよ。……お前の気持ち、ちゃんと伝わったから」

「副社長……」
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