愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「今、田中が紅茶を淹れてくれているから、とりあえずソファに座って」

「……はい」

促されるがまま部屋の中央にある革張りのソファに腰を下ろした。

予想以上にふかふかで、身体は深く沈む。

ここでやっと少しだけ冷静になれた。

ナチュラルにここまで連れて来られてしまったけれど……一体なぜ?

チラッと代表を見ると、デスクにあった書類に目を通している。

その姿を見ながら、脳裏に浮かぶのは嫌な三文字。


もっ、もしかして私……あまりに仕事中にやらかしてばかりいるから、解雇通達される、とか?

あり得る話にサッと血の気が引いていく。

あと少ししたら、三ヵ月間の試用期間を終えて正式に新入社員は正規雇用されることになっているけれど……。

このタイミングといい、正規雇用されずに、代表自ら解雇を言い渡されてしまうの!?


先ほどとは違った緊張感に襲われる中、ドアをノックする音がすると、トレーに紅茶とクッキーを乗せた田中さんが入ってきた。
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