愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「今後のこともお話したいですし、ふたりっきりでゆっくりと」

再び密着する佐川さんに、見ているのが辛くなってしまい、声を上げてしまった。

「副社長、私なら電車で帰れますから大丈夫です」

「――は?」

私の話を聞いて目を丸くさせる和幸くん。私……和幸くんの彼女だけど、彼の秘書でもある。

だからこそ知っているから。彼が毎日どれだけ仕事に真摯に取り組んでいるのかを。

私のワガママのせいで彼の努力がダメになることだけは、絶対に嫌。


「さすが一之瀬さんの秘書ね、話がわかる方でよかったわ」

私の答えに満足したのか、先ほどとは違いニッコリ微笑む佐川さん。

「お疲れさまでした。お気をつけて」

頭を下げると、途端に和幸くんは顔を歪め視線を逸らした。


「お疲れ」

そして素気なく一言放つと、佐川さんに「行きましょう」と声をかけ、ふたりで彼の車の方へと行ってしまった。
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