愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「最近ではスケジュールは自分で管理できるし、雑務もひとりでできると言い張って秘書をつけようとしない。まったく、誰に似てあんなに強情なんだか」

「代表にそっくりだと思いますが」


すかさずボソッと呟いた田中さんにギョッとしてしまうも、どうやら代表の耳にはしっかり届いていなかったようだ。


「ん? なにか言ったか?」

「本題に入られたらどうかと」

さっきとは違うことを平然と言う田中さんに目を白黒させてしまう。

田中さん『代表にそっくり』なんて言っていたよね? 聞き間違いじゃないはず。

え、田中さんってそういうこと言っちゃう人だったの?


意外な彼の一面にただ驚かされる。

「おっと、そうだったな」

そんな田中さんには気づかない代表は大きく咳払いをし、真剣な面持ちで私を見据えた。


「さっきも言ったが、キミほどあいつの秘書の適任者はいないんだ。どうだろう、引き受けてくれないか?」

思わずゴクリと生唾を飲み込んでしまう。
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