愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
そんな彼に副社長のパートナーとして、最高の人材だなんて言われて嬉しくないわけがないけれど……。

「あの……少し考えさせていただいてもよろしいでしょうか?」

すぐに「やります」なんて言えない。話が話だし。

そんな私の気持ちを察してくれたのは、田中さんは大きく頷いた。


「もちろんです、ゆっくりお考え下さい」

「そうだな、急な話だったしな。一応予定では七月付けで異動を……と思っている」

「七月……」

ということは来週から!?


「急なお話で大変申し訳ありません。色々と事情がありまして、お話するのが遅くなってしまいました。もしなにかお聞きになりたいこと、不安に思うことなどございましたら、遠慮なくお声掛けください」


「それがいい。田中は秘書としてプロ中のプロだからな」

「ガハハッ」と笑う代表に田中さんはポツリと「あなたのおかげで」と呟いたのを、私は聞き逃さなかった。

ふたりの関係が少しだけ垣間見ることが出来た気がする。


ちょうど始業を知らせるチャイムが鳴り、田中さんにオフィスまで送り届けてもらってしまった。
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