愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「ちょっとちょっと、なによその急展開は! 話についていけないんですけど」

「大丈夫。私もだから」


この日の昼休みが始まると同時に紗枝が総務部にやって来て、私の予定も聞かずにつれて来られたのは一階にある飲食店街。


ゆっくり話ができるようにと、個室のある和食飲食店に来ていた。

もちろん紗枝が私を連行したのは、朝の始業前のことを聞くため。


私が代表や田中さんと一緒にいるところや、代表室に入っていったところはバッチリ社員に見られており、瞬く間に「なにがあった!?」と話が広まってしまっていたようだ。


それは午前中ヒシヒシと身を持って実感していた。

先輩たちが私を見る目がいつもと違っていて、なにか聞きたそうにしていたから。


ちょうど注文した海鮮丼が運ばれてきて、数口食べたところで紗枝がしみじみ話し出した。

「いや……私はてっきり正規雇用前にクビを言い渡されたんじゃないかと」

「アハハ……正直私も」

「やっぱり? 先輩たちもみ~んな言ってたよ。とうとうクビかって」
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