ずるい男 〜駆け引きは甘い罠〜

何度か、足を組み直すふりをして美姫の足につま先を触れたり、足を当ててみると美姫は足を引いてしまう。


俯く美姫の表情はわからない。


こっちを向けよと念じ、足を少し伸ばし美姫のふくらはぎをスラックス越しに撫でた。


ピクッと跳ねる美姫の肩を見て、いたずら心が動いた。


何度も美姫のふくらはぎを足で撫でていると、偶然じゃないと彼女もわかったらしい。


ドリンクを取るふりをして、やっと峯岸の顔を見たのだ。


その時、美姫の困惑している表情といったら…


席に着いてからずっと無視されていたから、してやったり感が堪らなかった。


俺を無視したバツだ…


靴を脱いだ足先で美姫の足を、足首から上に向かって撫で上げた。


身を細かく震わせる美姫は下唇を噛んで声を我慢していた。


潤んだ目をして、峯岸だけを見つめる。


「美姫ちゃん、寒い?」


その目が堪らない。


浜田の手前、心配をするふりをしながらテーブルの下で今度は、ゆっくりと足先でストッキングを履いた足を撫でていく。


我慢が出来なくなった美姫は、身を震わせ浜田にしがみつき顔を埋めた。


「美姫、そろそろ帰るか?」


浜田の心配気な声に頷く美姫。
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