ずるい男 〜駆け引きは甘い罠〜
息つくヒマもない早急な荒々しいキスは、美姫の口内を舌で蹂躙し、貪るように舌を絡め吸いついてくる。
今まで何度もしてきた峯岸とのキスとは違う熱を孕んだ強引なキスは、一気に美姫の身体を熱く疼かせる。
言葉なんていらない…
いつも冷静にとり澄まし美姫を翻弄していた男が、美姫を求め欲望を隠そうともせず、我を忘れキスしてくる姿に嬉しく、身体の奥底が反応していた。
吐息さえも奪われる口づけに美姫は空気を求め唇を離そうと一歩退くと、その唇を追いかけて来る唇。
狭く短い廊下、男の唇から逃げても、すぐ壁にとらえられ唇ごと食べられるのではと思うぐらい強く塞がれ、唇を開かされた口内を男の舌が傍若無人に貪る。
壁を背にした美姫は、男の肩を押すがビクともしない為、荒々しいキスをしたまま壁沿いに移動し、少しでも空気を求めているのに、追いかけて来る峯岸は唇を重ねたまま熱い吐息を漏らす。
「逃げるなよ」
逃げてなんていない。
ただ、呼吸もままならないキスから、空気を求めていただけ…
見つめ合い、乱れた吐息を吐きながらお互いの唇を何度も啄ばむ。
峯岸はその間、ネクタイの結び目を解いていた。