【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~

本当に雨だけが凌げるような小さな山小屋だったが、晃はその中に入ると、トランシーバーでなんとか連絡を取ることに成功し、ホッと息を吐いた。

「雨が上がったらすぐに来てくれるそうだ」

「良かった……」
震える声で言った結花を見れば、明らかに泣いた後とすぐわかるぐらい目は真っ赤で、不安だったことは一目瞭然だった。

「大丈夫か?」

「もちろん……」
無理やり笑おうとしたようだったが、結花の瞳からは涙がポロポロと落ちた。

「あれ?なんで涙なんか……おかしいな……主任……迷惑かけてすみません……」
結花の謝罪の言葉に、またもや無意識に結花の涙を拭うために、結花の頬に触れて晃はハッとする。


「お前寒いんじゃないか?なんだよ、この冷たさ」
暗い山小屋でもよく見ればわかる、紫色の唇と、震える結花。

「とりあえず、濡れている服を脱げ」

肯定はしないが、否定もしない結花に、晃は平静を装うと声をかけた。

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