今年の夏もキミを想う…。


――「宮崎くんって、どうしようもないインドアよね。そんなんじゃ、お肌がまっしろしろで、女の子と間違われちゃうわよ」

「……そんなに白くない」


外に遊びに行こうとごねる彼女に、宮崎は漫画をめくりながら気のない返事を返す。


「ニュース見てないのか?今日の最高気温、えげつないんだぞ。そんなに遊びに行きたいなら、和果子と遊べばいいだろ」

「和果子ちゃんは、昨日から家族旅行でいないでしょ!」

「じゃあ、高知先輩」

「高知くんは、夏風邪の柚花ちゃんを看病しなくちゃいけないから忙しいの!」


漫画本から一向に顔をあげようとしない宮崎に、彼女の頬が徐々にムスっと膨れていく。

しかしムスっとして黙り込んでみても、宮崎は顔を上げもせず、ペラリとページがめくられる。
< 230 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop