今年の夏もキミを想う…。
――「宮崎くんって、どうしようもないインドアよね。そんなんじゃ、お肌がまっしろしろで、女の子と間違われちゃうわよ」
「……そんなに白くない」
外に遊びに行こうとごねる彼女に、宮崎は漫画をめくりながら気のない返事を返す。
「ニュース見てないのか?今日の最高気温、えげつないんだぞ。そんなに遊びに行きたいなら、和果子と遊べばいいだろ」
「和果子ちゃんは、昨日から家族旅行でいないでしょ!」
「じゃあ、高知先輩」
「高知くんは、夏風邪の柚花ちゃんを看病しなくちゃいけないから忙しいの!」
漫画本から一向に顔をあげようとしない宮崎に、彼女の頬が徐々にムスっと膨れていく。
しかしムスっとして黙り込んでみても、宮崎は顔を上げもせず、ペラリとページがめくられる。