今年の夏もキミを想う…。
「あれってこんなに酔えるものだったのか……?」
「あたしも初めて見た。あれで酔う人……」
茫然とする二人の前で、高知は尚も楽しげにニマニマしている。
「まるとさんかくをたしてにでわったら、まるさんかくー。へへ……」
「二で割ってないじゃないですか……」
「突っ込むところはそこ!?」
危うく高知のおかしなテンションに呑まれかけた宮崎は、和果子の鋭いツッコミにハッとして我に返る。
その様子に呆れたようなため息をついて、和果子が立ち上がった。
宮崎の皿と紙コップも一緒に、自分の分を絶対に高知の手が届かない安全圏まで避難させてから、尚もへへ…ふへへ…と怪しげな笑い声を漏らしている高知と、その隣で嫌そうな顔をしている宮崎を見下ろす。
「とりあえずお水持ってくるから、それまでちゃんと見てて」
「おっけー!まかへて」
「先輩に言ってるんじゃありません……」
「なるべく早めに頼む」とこぼして、疲れたようなため息をつく宮崎を残し、和果子は水を取りに駆けていった。