今年の夏もキミを想う…。


「あ、あの……宮崎さん」


決意のこもったようなその声に、宮崎は高知から視線を移す。

俯いていた視線をおずおずと上げた柚花に、宮崎は「ん?」と首を傾げる。

目があうと、パッと慌てたようにそらして、またおずおずと視線を上げ、恥ずかしそうに頬を赤らめる事を繰り返した柚花は、しばらくして意を決したように口を開いた。


「もし、良かったら!その……わたしが、代わり、ましょうか」


尻すぼみに小さくなっていく声に、一瞬何の提案をされているのかわからず、宮崎は更に首を傾げる。

その様子に、柚花はハッとしてまた顔を上げると、慌てたように言葉を続けた。


「あっ、えっと、すいません。あ、あの、宮崎さん!ずっとその体制だと、疲れないかなって。その……お肉とかも、食べられないし」


言われてみれば確かに、和果子が持ってきてくれた野菜大盛りの皿は、未だ手つかずのままになっていた。

チラリと視線を送ってみれば、湯気はとっくの昔に消えていて、焼きたての時ほど美味しそうではなくなっている。
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