俺様ドクターに捕獲されました
「……服、邪魔だな。ずぶ濡れついでに、このまま風呂入るか」
「え!?」
「ほら、脱げよ。服、張りついて気持ち悪いだろ」
「は!?」
いやいや。なにを言い出しているの、この人は。唖然としている私をよそに、彼はお風呂の自動ボタンを押し、自分の着ている服をさっさと脱ぎ捨てていく。
「え、いや! 無理だから!」
「無理じゃねぇよ。一秒も待てないって言ったろ。今日は意地でもお前から離れないからな。ほら、手伝ってやるよ」
「いやー!! 無理無理無理!! 優ちゃんのエロ魔人!!」
「お前、自分の彼氏を変態扱いするな」
「か、かか、彼氏って……」
その響きに、顔が赤くなる。そうか、彼は今日から彼氏になるのか。それで、私は、か、彼女。うわ、なんか照れる。
二十八歳にして初めてできた恋人に浮き足立つ私に、彼はニヤニヤしながら手を伸ばしてくる。その顔も手つきも、立派な変態だと思うんですけど。
必死に彼から逃れようとするが、彼は逃がす気など微塵もないらしい。私を壁に追いつめて、喜々としててブラウスのボタンを外し始める。
「ちょっ、待って……。わかった、わかったから! 一緒に入るから、ちょっとだけ条件つけさせて!」
そうしてなんとか彼に条件を飲ませた私は、現在、バスタブに浸かり背中から抱きしめられている。