俺様ドクターに捕獲されました


「……ふーん、やっぱりそうなったんだ。再会した時点でそうなるとは思ってたけど。いざ、聞くと面白くないもんだな」

「おい、約束したろ。もう邪魔すんなよ」

「別に邪魔してないし。こじれたのは、優が肝心なところでヘタレだからだろ」

「はあ? お前が変な条件ばっかり出すからだろ」


バチバチと睨み合うふたりに呆れながら、これでは仕事にならないとふたりを追い出して今日のケアに取りかかる。


彼の言っていた通り、おばちゃんの容態はかなりよくないようだった。動くのも辛そうで、できる範囲でマッサージをしていく。


「はあ、やっぱりいい香りだね。なんだか、呼吸をするのが楽になった」


本当に気持ちよさそうに目を細めて、おばちゃんはホッと息をつく。腹水が溜まってきているせいで、浅かった呼吸が少し深くなった。


それによかったと笑って、おばちゃんの手をそっと握る。


「おばちゃん、私……どんなときでも優ちゃんの隣にいるよ」


前は、答えることができなかったおばちゃんのお願い。今度は、はっきりとそう言える。


私の答えに、おばちゃんはとてもうれしそうに満面の笑みを浮かべた。

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