俺様ドクターに捕獲されました
どのくらい眠っていたのか、突然鳴り始めた携帯の呼び出し音にビクッと身体が揺れた。びっくりして起きたからか、心臓がドキドキしている。
私を背中から抱きしめていた彼が、上半身を起こして携帯に手を伸ばした。
「はい、宇佐美です。……わかった、すぐ行く」
短い会話で電話を切った彼が、目を開けている私に気がついて眉を寄せた。
「悪い、起こしたな」
「大丈夫。優ちゃんは、行くの?」
ベッドから出て行こうとする彼にそう聞くと、彼はうなずいた。時計を見ると朝の五時すぎ。彼がベッドに入ってから二時間ほどしか経っていない。本当で心配になってしまう。
せめて見送りをしようと身体を起こした私は、彼が口にした次の言葉で動きを止めた。
「おばちゃんの容態が急変したそうだ。下顎呼吸で、心拍数も上がって、血圧が落ちてるらしい」
「え!」
「だから、行ってくる。看取るって、約束したからな」
「私も行く! 今日、病院に行く日だから、いいよね」
約束したから、行かなきゃ。きっと、おばちゃんは私たちを待っていてくれる。
彼の返事を待たずにベッドを下りて、急いで身支度をする。五分とかからずに準備を終えた私は、同じように準備を終えた彼の手を掴んだ。