俺様ドクターに捕獲されました

「お前……それ、ずるい。ベッドに戻りたいのが本音だったんだけど、そんなこと言われたらお願い聞くしかないだろ」


おお、効いた。おばちゃん、すごい。人生の先輩の助言は聞いておくべきだと感心する私に、彼が手を差し出す。


「じゃ、シャワー浴びてデートに行くか。今日は、りいのわがままなんでも聞いてやるよ」

「本当? じゃあ、こうやってずっと手、繋いでて」

「……お前、かわいいこと言うな。そんなの、言われなくてもしてやる」


指先にキスをした彼の唇が肌をなで、手の甲に軽く吸い付く。私を見上げた彼は、なんとも彼らしい自信に満ちた笑みを浮かべていた。


「この手がシワだらけになっても、ずっと繋いでる。一生かけて、お前のことを愛し尽くすからな」

覚悟してろよ、と笑った彼に、私も微笑む。そんなの、喜んで愛し尽くされてやろうじゃないか。それで、同じだけの愛を彼に返せたらいい。


過不足なく、同じだけ。そうやって、一緒に年を重ねていけたらいい。


差し出された手に自分の手を重ねて、自分の指を絡める。左手の薬指にはまった彼がくれた愛の証が、キラリと輝いた。

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