空高く、舞い上がれっ。
わたしは気にしてない動揺なんてしてない。そう言い聞かせて足を動かした。

「あ、歩舞‼」

足を止める。甲高い声で名前を呼んだのは莉華だった。
振り向きたくなかったけど……

「なに?」

「あ、やっぱなんでもなーい」

なんだよそれー、と集団の男子たちが笑う。わたしは向きを前に戻し再び階段をあがる。

ここ数週間、わたしを無視していた莉華。
……わざとだったのか、そうでないのか……わたしには莉華の本心はわからないけど。
胸が苦しくてのどが熱い。
いつのまに輝空くんと莉華は仲良くなっていたんだろう……

わたしは気にしていない動揺なんてしてない……そう言い聞かせても、言うことを聞かないわたしの気持ちが嫌い。


次の授業は……さぼる事にした。
どうせ遅刻だし、なんだか面倒な気分になってしまったから。

先生に見つからないように女子トイレへ逃げ込んだ。トイレの窓をあけると、見える景色は緑と青空。
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