彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「・・・・どちら様ですか?」
「さてね。軒猿に凛道蓮を生け捕れば、2倍払うと言ったスポンサーとだけ言っておこうかしら?」
「な!?じゃあ、あなたがクルーザーで武闘会を開いた人!?スケベ親父じゃなかったんですか!?」
「なにそれ?」
「いや、女の子の服を破けと間接的に僕に伝えてきたもので~」
「知らないわよ。私が知りたいのは、敵が絶望する姿。」
パーン!
「なっ!?」
聞いたことのある音。
ガッシャーン!
その音と同時ぐらいに、背後の窓が派手に割れる。
「拳銃・・・!?」
「今のは威嚇よ。一緒に来なさい、凛道蓮。」
そう言って、私に銃を向ける女性。
それでも、言うことだけは言ってみた。
「・・・僕は勝ちましたが?」
「決めるのは、この場で強いものよ。」
「この場合、強い武器を持ってる人になってませんか?」
それで黙る女性。
表情は変わらないけど、不機嫌そうな空気は伝わってくる。
キレイなのに、どこか、はかなさを漂わせている。
(幸薄そう・・・)
「そっくりね。」
「え?」
冷静に相手を観察していたら言われた。
「龍星軍の頭にそっくりだわ。」
「瑞希お兄ちゃんにですか?」
「『それ』じゃない。」
「なに?」
「ひょうひょうとしてるところが、伊吹陽翔にそっくりだわ。」
「伊吹陽翔・・・・!?」
聞き覚えのある名前。
「龍星軍2代目総長のこと!?」
「そうよ。龍星軍2代目総長を務めた最強の男で、真田瑞希に殺されたあたしの恋人。」
「なっ!?」
殺されたという表現もだけど―――――――――
「恋人だったんですか!?」
「愛し合ったわ。」
その彼女だと名乗ったことにも驚いた。
それでひらめいた。
“なんか、上手く黒幕が見れねぇんだよ”
“視えないって、烈司、調子悪いのか?”
“俺の霊感アンテナに引っかからないんだよな”
“身近な存在は視えないからな~”
頭の中のピースがそろう。
しっくりこなかったことが、理解できた。