彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
(烈司さんは・・・・身近な人は視ることが出来ない・・・)
最近の不調はそのため!?
調子が悪いんじゃなくて、見ている対象が『身近な人』だったから――――――――・・・・!?
「それで視れなかったのか・・・・」
「あら、宗方烈司の能力も知ってるのね。」
ひとり言のつもりだったが、人が少ない空間では、声は良く拾えるらしい。
「・・・・なんのことです?」
誤魔化してみるが、表情のない女には通じなかった。
「陽翔から聞いてるわ。宗方烈司は占いも霊視もできるけど、身近な人物は、親しい者は視れないといういまいましい力があるということをね・・・!?」
「いまいましい?」
そこで彼女の顔が初めて変わる。
憎しみの恨みのこもったひどい顔。
「まさか、龍星軍に、瑞希お兄ちゃんに迷惑がかかることをしたんですか!?」
「迷惑?私にブチ殺されるの間違いじゃない?」
カチ。
そう言うと、銃を構え直す。
その銃口に目が行く。
「この役立たずが!」
ダーン!
「!?危ないっ!」
思わず、向けられた銃口に反応する。
ビシュ!!
「っ!?」
(やっぱり、瑞希お兄ちゃんみたいにいかないか・・・!?)
「あらあら、どうしたのかしら?なんで、忍者を助けちゃうの?」
仰向けに転がっている相手の体を引っ張る。
それで軒猿は無傷だったけど、私の右腕に痛みが走る。
「その忍者がどういうやつか、まだわからないわけじゃないでしょう?」
「あなたこそ・・・動けない人間を無差別に撃つなんてどうかしている・・・!?」
「あなたを私に差し出そうとしたのよ?卑怯な手を使った相手よ?助けるの?」
「人を助けるのに理由はいらない。」
「じゃあ、殺すのに理由もいらないわね!?」
ドン!ドン!ドン!
「うわっ!?わわ!」
再度放たれた弾丸。
とっさに、軒猿をかばう。
軒猿を抱えてよけたつもりだったけど――――――――――
ビシュ!ビシュ!ビシュン!!
「あう!?」
それで、左腕と左足に弾がかすった。
白い特攻服に赤い血がにじむ。
それを見て、やっと彼女は微笑んだ。
「ほほほほほ!懐かしいわ・・・陽翔もそうやって、赤く染まっていた・・・!」
声高らかに笑う。
その声を聞きながら、相手はまともじゃないと思う。