彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
現実を知り、呆然としたのは30秒ほど。
すぐに何とかしようと体が動く。
「・・・・冗談じゃない・・・・!」
こんなところに、いつまでもいられない。
早く逃げないと。
(どこかに出口があるはず・・・・!)
そんな思いで、壁や床を手探りで触る。
(一刻も早く知らせないといけないのに!)
―凛!―
「瑞希お兄ちゃん・・・・!」
(言いにくいことだけど、言わなければいけない・・・・!)
知ってしまった以上、伝えなければいけない。
(―――――――――伊吹陽翔さんの彼女が、黒幕だったと・・・・・!!)
ヤクザを手下にするような女であると。
(龍星軍を恨んでいて、私に死ねって言うような人だと・・・・・・・・!!)
嫌な予感がする。
(すごく嫌な予感がするって、伝えないといけないのに・・・・!)
それが私だけではなく――――――――――!
(瑞希お兄ちゃんにとって、龍星軍にとっても、よくないことが起きそうだと――――!!)
そう思った時だった。
ボン!
「うあ!?」
何かが爆発する音がした。
見れば、パチパチという音をたてながら床が燃え始めていた。
「火!?」
それはゆらめきながら、ドンドン大きなものへと変わって行く。
「大変だ・・・・!」
火事にでもなったら一大事!
火事で一番怖いのは炎じゃない。
「早く消さ――――――ゴホゴホ!」
一番危険なのは―――――――――――
(煙!!)
最初は白いけど、燃えるうちに黒くなって行く。
視界を塞ぐぐらい黒くなって、身動きが取れなくなる。
それどころか、煙に含まれる一酸化炭素は有毒ガスとなって、呼吸困難へと導く。
その結果、人は死んでしまう。
死んで・・・・
(こんなところで死ねない!)
「ゴホ!消さないと!」
迷ったけど、大事な特攻服を脱ぐ。
大事にしろと言われたけど、非常事態なので、後で怒られようと決める。
そして、龍星軍と刺繍された白い服を炎めがけて、バサバサと叩きつける。
消火しようと、こころみるのだが――――――――
ゴオオオ!!
「わあああ!?」
燃える速さが増した。
尋常じゃない火の速さだった。