彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「薬品でもしみこませてるのか!?」
〈よく気づいたわね?〉
そんな声が部屋中に響いた。
同時に、ブオンという音に合わせてノイズ画面が変わった。
そこに1人の人間が映し出される。
「あなたは・・・九條アキナ、さん!?」
〈あら、私の名前、忍者に聞いたのね?〉
スクリーンいっぱいに映る髪をアップにした綺麗な女性。
でも今は、それほど綺麗に思えない。
「僕をどうする気です!?」
〈お兄ちゃんに会いたいでしょう?〉
「誤魔化さないでください!何がしたいんですか!?」
〈絶望を与え続けたいの。〉
「絶望だと!?」
〈ねぇ、私の服、キレイでしょう?〉
「だからなんです!?」
〈黒は女を美しく見せる。でもね、別の意味があるのは知ってる?〉
「え!?返り血が目立たない、ですか・・・?」
〈あははははははは!4代目らしい答えでいいわ・・・〉
私の答えに、手に口元をあてながら笑う女。
〈見てたわよ、坊や。いつの間にか、あの軒猿をたらしこんだばかりか、アレをかばって罠に落ちちゃうなんてね。そういうところが、お兄さんにそっくりよ?〉
「!?お褒めに預かり、光栄ですよ・・・!」
〈馬鹿ね、皮肉よ?そうやって強がってられるの今のうち・・・・〉
「別に強がってません。」
〈そのままじゃ、焼け死ぬわね。お兄ちゃんに助けを呼ばなくていいの?『瑞希おにいたぁーん、たちゅけてぇ~しんじゃうよぉ~』って?〉
「第一印象が悪くなるようなことしないでください。伊吹陽翔さんの女の趣味を疑いたくなりますから。」
〈っ!?言ってくれるじゃない、坊や・・・・!?〉
伊吹陽翔の名前を出した瞬間。
うつろだった目が、瞳孔が見開かれる。