彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
〈あんたみたいな弟がいるってわかってれば、もっと早く手を打っていたのに・・・・!〉
「消火の邪魔です。話しかけないでください。」
〈私に命乞いしなさい。瑞希お兄ちゃんに助けてって言いなさい。そうすれば助けてあげる。〉
「嘘つき。」
頭にきたので、女の言葉を真っ向から否定した。
〈・・・・嘘ですって・・・?〉
「お姉さん、僕の知り合いに似てるよ。」
〈知り合い?私が坊やの知り合いに、似てるですって?〉
「そう。平気で嘘つく態度がそっくり。あいつと同じにおいがする・・・!」
―いじめる理由なんてどうでもいいんだよ。―
そう言い放った女と、2代目総長の女の姿がだぶった。
「助ける気なんかないくせに。自分が楽しみたいだけでしょう?」
いじめっ子から受けた理不尽な仕打ちが、こんなところで役立つとは。
〈・・・・馬鹿な子ね。泣いて頼めば、見逃してやったのに・・・!〉
「あいにく僕は、賢くない。」
〈まぁいいわ・・・忍者がいろいろしてくれたみたいだから、手間がはぶけたのよ。〉
「手間?」
〈今、瑞希お兄ちゃんに会いたいでしょう?〉
そう言った女の口角が妖しく吊り上がる。
〈会いたいでしょう?真田瑞希に?〉
「今ではなく、いつも会いたいの間違いですよ?」
(何を企んでるんだ、こいつ・・・?)
警戒しながら様子をうかがう。
そんな私に、女は満面の笑みを作る。
〈あはははは!本当に生意気なガキね~!?いいわ、会わせてあげる!〉
その言葉に合わせて、画面の中から九條アキナが消える。
〈ほ~ら、大好きな瑞希お兄ちゃんよ!!〉
女の声だけが部屋にこだまする。