彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「俺の凛に、なにしやがった!?」
〈違う!俺はされた側!〉
「なに!?」
された側?
「わけわかんねぇーぞ、テメー!?とりあえず、凛の携帯をテメーが使ってる理由を言え!」
〈凛道が危ないんだ!〉
俺の質問に、わかりやすい答えが返ってくる。
「危ないだぁ?」
〈俺は今、錦織町の森林の中にある廃墟ビルにいる。俺をかばって、凛道蓮が――――――――――――九條アキナの手に落ちた。〉
「なっ・・・なんだと!?」
九條アキナ。
そいつを俺は知っている。
どういう女か、俺はよく知っている。
“瑞希先輩、紹介します!俺の嫁で~”
“まだ結婚してないでしょう!?あの真田先輩を茶化しちゃダメ!”
“あはははは!平気、平気♪真田先輩、すっげーやさしから!アキナみたいに♪”
どういう女なのかー
“瑞希先輩!俺の将来の嫁さんで、彼女の九條アキナです!”
“はじめまして・・・く、九條アキナです・・・・”
(陽翔の女――――――――――――・・・・・!!)
〈俺1人で応戦しているんだが、このままじゃ凛道蓮が・・・・!九條アキナが、あんたらを恨んでることは知ってるだろう!?〉
「どうした、瑞希?」
「みーちゃん、軒猿が何だって?」
「おい、顔が青いぞ?」
「・・・・それ、ヤバい電話だろう、瑞希ぃ?」
「お前ら、錦織町の森林の中にある廃墟ビルにいるんだな?」
仲間に答えることなく、電話口の相手に聞く。
「そこに凛がいるんだな!?」
〈できれば、俺も助けてくれると助かるんですけどー〉
「まとめて保護してやるから言え!!凛はどこだ!!?」
〈九條アキナの罠に落ちて、閉じ込められてる。来てくれたらすぐに案内する。早くしてく―――――――うお!?〉
ダーン!
銃声を最後に携帯はきれた。