彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
(急いでる時に、こいつらは~!?)
イラッときた。
「リンリンの大親友の俺を差し置いて、ずるい系!」
「馬鹿野郎!凛さんの一番の理解者は俺だ!」
「オメーらに凛を任せてられるか!」
「瑞希先輩!出掛ける理由を話してくれるまで、離れないっすよ!?」
「うはははは!コラコラ、みんなやめんかい!瑞希はん、急いでるようやし、ここは何も聞かんと、道を開け~・・・」
イラッときたんだ。
俺の行く手を塞ぐガキ共に。
「どけぇ!!ひき殺すぞっ!!」
ブロロロロロン!
「「「「「「「わあああー!?」」」」」」」
ブロローン!ブロンブロンロオオオオォォォ!
関西人が何か言っていたが、アクセルを踏んだ。
ぶつけるすれすれで、ガキ共の隙間をぬうように、単車を急発進させた。
「瑞希ぃー!!」
後ろで烈司の声がしたが、無視してノーヘルでかっ飛ばした。
「み、瑞希せんぱぁーいっ!!?」
「なんだあれ!?マジギレしてたぞ!?」
「今まで見た中で一番コエー・・・・」
「ウェイウェイウェイ!!ヤマトっちが言った直後に、激おこプンプンした系~?」
「ひど!?わし、そないにひどいこと言うたか!?」
「ああ・・・・罵る瑞希先輩もイイ・・・♪」
(どいつもこいつも――――――――――凛も!!)
アイツには・・・・凛には、まだ話してなかった。
(アキナの話・・・・!!)
九條アキナがどんな女なのか。
どういうつもり凛を襲ったのか。
“海で両足を引っ張られまして・・・・・”
“お風呂の中に何かいます!”
“僕が賞金首!?”
(あれは・・・アキナがらみだったってことか!?)
〔★一部は、凛のねつ造である★〕
(くそ!アキナのかかわりを、否定できねぇ!!)
凛が危ない目に合ったのは、今回だけじゃない!!
疑えばきりがないが、それでも・・・
(アキナの俺らへの気持ちを考えれば・・・・)
わかったはずだ。
心当たりが多すぎるとはいえ、気づけるチャンスはいくらでもあったのに!
それに気づけなかった自分に歯がゆくなる。
ブロロロ――――――――――――ロン!
加速する。
軒猿の言った場所へと向かう。
あの電話のきれ方じゃ、奴もやられてるかもしれない。
「それもで凛だけは――――――――」
(俺が守る!!)
間にあってくれ、という思いで爆走した。