彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「これは受け売りですが・・・彼女は自分がしてることに『疑問を持ってない』んでしょう。だから、僕に対してあんなことをして、瑞希お兄ちゃんにも迷惑をかけられたんでしょう。」
「・・・・それは・・・・」
「彼女の世界の基準は伊吹陽翔でした。だから、余計に仕返しが正しいと思ってるんです。」
「凛・・・下手すれば、アキナは、本当にお前まで殺しかねない・・・!」
「僕は死にません。」
「お前は、凛は・・・危機感が足りない。そう信じこんでるだけだ!それも俺が原因で・・・俺が−−−−−!!」
「だからと言って、俺が龍星軍をやめるわけにはいきません。」
「凛!?」
もしかしたら、彼は私から龍星軍を取り上げるかもしれない。
「ここまできたんです・・・水臭いことを言わないでください。」
狙われているから、危ないから二度と来るなというかもしれない。
「可愛い弟を信じて下さい。あなたの凛道蓮は、なにがあっても真田瑞希の前から消えません。」
「・・・・どこまで、俺の考えを予想してる・・・・」
「・・・・危ないから、もう来るなって言いそうなところまで・・・」
「見抜いてやがるか・・・・」
ギュッと、再度抱きしめられる。
今度は笑いも何もない。
明るき声も聞けない。
ただただ、静かに彼は語る。
「俺に何かあった時、凛にすべてを任せる。」
「では、僕に何かあった時は、あなたにすべてお願いします。」
「・・・まるで遺言だな。」
「たとえ話ですよ。」
むなしさが胸に宿る。
出会い方は明るかったけど、再会してからこんな暗い話をすることになるなんて。
これというのも――――――――
「もしも、瑞希お兄ちゃんに何かあれば――――――俺は九條アキナを殴る。」
「凛!?」
「女子供には手を出さないが、その時だけはその硬派を守れない。」
「馬鹿言うな!凛にそんなこと―――――」
「出来ないといいよね、瑞希お兄ちゃん。」
「凛・・・」
「・・・そうなるような起きませんように・・・」
あるいは・・・・そうなった時に――――――――
(私は、手を上げることが出来るだろうか・・・・?)
「大丈夫ですよね?」
いろんな意味を込めて彼に聞く。
首筋しか、耳しか見えない相手に聞く。
前かがみで私を包むようにして抱く瑞希お兄ちゃんは、ゆっくりと頭を動かす。