彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「ああ・・・大丈夫だ・・・・」
真っ直ぐな瞳、寂しげな口元。
だけど、目に宿した光は強い。
「アキナが恨んでるのは、あくまで俺だけだ。きっと凛は―――――――」
「大丈夫です。」
彼の頬へ手を伸ばしながら言った。
「いずれ、再び会うでしょう。その時に、僕からも彼女を説得してみます。」
「凛。」
「お互い、伊吹陽翔という同じ人を大切に思っている立場の者同士じゃないですか?」
瑞希お兄ちゃんに好かれているということに、ジェラシーを感じたけど言った。
「冷静な第三者が間に入れば、解決することだってあるじゃないですか?」
「・・・・それって、凛のことか?」
「そうですっ!」
ふふんと、胸を張りながら言えば、クスと笑われた。
「冷静なって・・・凛みたいな、天然過ぎなお子ちゃまは、あてはまらないんだぞ?」
「ちょ、そこまで言うことないでしょう!?」
「あと、中立じゃない。」
「え?」
「俺を好きすぎる奴が、俺ともめてる奴を公平な目で見れるのかよ?」
「み、瑞希お兄ちゃん。」
「図星か。」
指摘されたことを言い返せない。
カーと暑くなる顔。
「こ、公私は区別するはずで~」
「アキナ相手にドブスって言ったじゃんか?」
「あれは!アキナさんが先に悪口を言うから、公平に~」
「あはは!どういう公平だよ?凛は可愛いなぁ~」
そう言って、彼へと伸ばした手をつかまれる。
「傷・・・平気か?」
「え?」
包帯の上からリストバンドをしていた右手。
「え、ええ・・・傷も残りませんし、もうすぐ包帯もとれ――――――」
「そうか。」
静かにささやいた彼の唇が、私のリストバンドに重なる。
「っ!?」
手、手首にキス!?
ゆっくりと、スローモーション映像を見るみたいに触れる唇。
直接肌にされたわけじゃないのに、彼の熱を感じたようで体が熱くなる。
「・・・大好きだぜ、凛。俺の愛しい弟・・・・」
「っ!?・・・・・僕もです・・・・・」
(弟か・・・・)
本音は、女の子として、好きでいてもらいたい。
だけど、ここまで来てしまったら、もう自分の口からは言えそうにない。
少なくとも、今は言わない方が良い。
(せめて、もう少し落ち着いてから――――――――――)
役職が決まったことで、龍星軍の集会が決定した。
詳しい段取りは、円城寺君・可児君達が決めてくれている。