彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
(今さら、4代目をやめるわけにはいかない。)
みんなに対して、無責任なことは出来ない。
なによりも―――――――――――
「僕が、ずっとあなたの側にいます。」
(瑞希お兄ちゃんと離れたくない!!)
「だから、どうかその胸の痛みを僕に分けて下さい。分かち合って下さい。1人で背負い込まないで・・・・!」
「ありがとう・・・」
そう言った口が私の手首から離れる。
「僕は、大丈夫ですから。」
「・・・・ありがとな、凛。」
それでどちらともなく、微笑んだ。
ただ、愛しい人と過ごす日々を話したくない。
彼のことを私は信じてる。
何が来ようと、この先彼から離れない。
九條アキナの世界が伊吹陽翔なら、真田瑞希が私のすべてだから。
なにがあっても、あの女に負けない。
負けるわけにはいかない。
「行きましょう、瑞希お兄ちゃん!伊吹陽翔さんのところへ。」
「ああ・・・それにしても、烈司達遅いな。追い付かれてもおかしくないのにな・・・」
「・・・・そうですね。」
きっと、気を遣ってゆっくり来てくれているんだろう。
私と瑞希お兄ちゃんが2人で話せるように。
「じゃあ、先に行っちゃいましょう!やることがなくて困るぐらい!」
笑顔でそう伝えて、彼の手を握って石段を上がる。
「わ!?コラコラ、早いぞ、凛!」
「飛ばしますとも!あんまり僕が瑞希お兄ちゃんを独り占めしてたら、あの世のナンバーワンブラコンが嫉妬するでしょう?」
「お前って奴は・・・・」
私の言葉に苦笑いすると、数段飛ばして駆け上がってきた。
「わっ!?」
それで追い抜かされ、形勢が逆転する。
「急げ、凛!陽翔を待たせるな!」
そう言った彼は、もう暗い顔をしてなかった。
いつものような明るい顔。
さわやかで優しい表情だった。
それでもって、ちょっとセクシー♪
そんな彼が見れただけでも、私は満足だった。
「待って下さい、瑞希お兄ちゃ~ん♪」
甘えるように彼の腕を引っ張れば、引っ張り返される。
それを繰り返していたら、いつの間にか並んで歩いていた。
(こうやってずっと・・・・瑞希お兄ちゃん隣を歩けたらいいな・・・)
額の汗をぬぐう彼の姿を見ながら、ささやかなお願いを恋の神様にしたのだった。