彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「風邪ひきますよ、お兄ちゃん。」
「スースー」
「切ったはずのクーラーがついてる・・・・」
こんな涼しい部屋の中、乱れた浴衣姿で布団もかけずに寝るのはお腹を冷やす。
「というか・・・・帯から締め直さないとダメな姿じゃないですか・・・」
一瞬迷ったけど、ゆっくりと瑞希お兄ちゃんの浴衣の帯を解く。
スカル柄のボクサーパンツにドキッとしたけど、見ないようにして、きちんと浴衣を直して帯を締め直した。
「こ、これでよし!」
「スーヤ、スーヤ・・・・」
(というか、着物の前をはたけさせられても、腰の帯を引っ張って結び直しても起きないなんて・・・・私だったからよかったようなものを・・・・)
「防犯意識が足りないかも・・・」
ふーとため息をつき、暗闇に慣れてきた目で部屋中を見渡す。
「のどかわいちゃったな・・・・」
一仕事を終え(?)飲み物を求め、冷蔵庫に向かう。
扉を開けて、オレンジジュースを取り出した時に気づく。
「あれ?なにかある・・・?」
冷蔵庫の光で照らされた机の上に、何か置いてある。
メモ紙のようだった。
(電気をつけたら、瑞希お兄ちゃん起きちゃうからな・・・・)
そう思い、冷蔵庫の光でメモ紙を見る。
―凛へ―
―風呂からもどったら、眠っていたのでそのままにしとく。―
―本当なら、烈司達との宴会に連れてく予定だったけど、明日に延長・・・な?―
―腹減ったり、飲み物が足りなくなったら、遠慮なくルームサービス、頼めよ。―
―あと、宴会は皇助とモニカの部屋でやってるから、目が覚めて、寂しくなったらいつでも来いよ?―
―俺も、凛が来ないとつまんないからさ~―
―けど、無理だけはするなよ!?―
―いいな!?―
―じゃあ、ちょっくら馬鹿さわぎに行ってくる―
―よかったら、来てくれよな?―
―瑞希―
(~~~~~~~~おにいちゃぁぁぁぁぁ――――――――――――――ん!!)
「な・・・・!」
(なんて甘いお言葉!優しい文面!私のことがいないとつまらないとか~!!きゃあー!!)
「よし、このメモ紙は家宝にしよう。」
ギュッと胸に抱き、デレッとした顔で好きな人を見る。
相変わらず穏やかに眠っていて可愛い♪
でもやることがカッコいい!!
「僕も・・・瑞希お兄ちゃんがいないと、つまんないですよ?」
そっと近づいてささやくと、そっとその頬に口づける。
チュ♪
(えへへへ、またしちゃった♪)
〔★好き放題だ★〕