彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)



「そもそも、オメーの運転が悪いんだボケ!」

「この凛たんびいきがぁ~!?俺でもそうするけどさ!それはいいが、人のせいにすんな!八つ当たりするな、ボケ!」

「うるせぇよ、ニコチン中毒者!吐く息がくせーっての!」

「なんだとぉ!?」

「なんだよぉ!?」


(またはじまった・・・・)





瑞希お兄ちゃんと烈司さんは仲が良い。

仲がいいんだけど、ときどき、ケンカをするほど仲がいい時がある。





「やめてください、お二人とも!」





最近わかったことだけど、こういった軽いもめごとをよくするのだ。





「争う原因がよくわかりませんが、喧嘩はしないでください!」

「わ・・・・わかりませんってお前なぁ~!?」

「・・・凛たんの天然にゃかなわねぇよ・・・!」





2人の間に入って・・・というか、シートとシートの間に挟まったままで言えば、はあーと大きなため息をつく瑞希お兄ちゃんと烈司さん。

それが気になったけど、ケンカをやめてくれたのでよしとした。



〔★気になる凛が原因だ★〕





「じゃあ、もうやめてくれますね!?」

「はあぁあ~~~・・・・!この愚弟だけは~」

「ぷっ!そう言うなよ、瑞希~」





争いをやめた2人が、私の頭をなでながら言う。





「たくっ!天然無自覚すぎるっての!ヒヨコはいいが、鶏みたいになるなよ!?」

「え?ヒヨコが大きくなったのが鶏じゃ・・・??」

「ははは!瑞希が言いたいのは、三歩歩くとすぐ忘れちまうような性格になるなってんだよ、凛たん。」

「そういえば、そういうことわざが―――――――――って!?それだと僕がヒヨコじゃないですか!?」

「ヒヨコじゃんか、ばぁーか。」

「うっ!!?」





そう言って、意地の悪い顔で私を見る目が色っぽい。






「い、いじわる!」





セクシーな顔をされ、ドキドキする私が言い返せる精いっぱいの言葉。





〔★表現ともいえる★〕




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