彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「お風呂なら、今からでも入れますよ。」
「え!?今から入れるの!?」
「入れます・・・というか、24時間いつでもいいです。」
「えーどうする?」
「今から準備するのもなぁ~」
「ねぇ、このまま朝まで待って、朝日を見ながら朝風呂しちゃわない!?」
「あーそれいいかも!」
「賛成!朝風呂に決定ね!」
「ありがとう、坊や~」
「い、いえ、どういたしまして・・・」
「じゃあ、またね!」
「早く寝るのよん!」
「お前が言うなってのぉ~」
「あははは!バイバーイ!」
「さようなら・・・」
(元気なお姉さん達だ・・・・)
言いたいことだけ言うと、きゃっきゃっと楽しそうに去って行くお姉さんの集団。
「朝風呂か・・・・」
言われてみれば、それもいいけど・・・
(そんなことしたら、あのお姉さん達とかぶっちゃうもんね・・・)
そうなったら、大騒ぎじゃすまないわ。
(心配だな・・・あのお姉さん達気紛れそうだったから・・・やっぱり、お風呂はやめて部屋に戻ろうかな。)
「凛道蓮様ではございませんか?」
「ひゃ!?」
今度はフルネームで呼ばれる。
さっきよりも素早く、声のした方を振り返る。
そこにいたのは――――――
「お、女将さん!?」
(まだ起きてたの!?)
ピシっとした着物姿の熟女が立っていた。
「あら、すみません。急にお声がけして、驚かせてしまいましたね?」
「い・・・・いいい、いいえ!そんなことは!こんばんは!」
「はい、こんばんは。真田さまはご一緒ではないのですか?」
「あ!お、お兄ちゃん達はお酒を飲んで熟睡しちゃって~」
「まぁ、それでお1人で探検中でしたか?あら?でも、その手に持ってるのは・・・?」
「あああ!?いえ、これは!その!」
お風呂セットを背後に隠すが遅かった。