彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「それが鳴りましたら、露天風呂にお持ちしますので、お待ちいただければー」
「はああ!?中に持ってくる!?」
「え?ええ・・・お客様に取りに来させるのも申し訳ございませんので~」
「わああー!い、いえ、いいです!中まで入らなくていいです!」
「は?ですが・・・・」
「脱衣所の適当な場所に置いて言って下さったらいいですから!お願いします!!」
「・・・左様でございますか?」
「左様です!照れ屋なものですから!お願いします!!」
両手をあわせて頼めば、しばらく瞬きした後で女将さんが笑う。
「かしこまりました。では、中に入らず、脱がれた御召し物を入れる籠の側に置いておきますね?」
「お、お願いします。」
「では、そのように承りました。」
「ありがとうございます・・・!」
ぺこぺこしながら、中へと進む。
それに合わせるように女将さんは私に言った。
「それから出入り口ですが、わたくしが外からカギをかけておきますので、ご安心下さい。出る時は、内線でお知らせくださいませ。」
「わかりました。」
「それではのちほど。失礼いたします。」
「は、はい!」
恭しく頭を下げるのに合わせて、扉が閉まった。
(はーあせった!)
余計に汗をかいた気がする。
(至れり尽くせりはわかるけど、お風呂の中にまで入って来られるのは困るよね~)
そんなことを考えながら浴室へ入る。
そして、感動した。
「ふわああぁぁぁ・・・・!これが、高級旅館の露天風呂!?」
泊まってる部屋もすごいけど、部屋のお風呂も綺麗だったけど、かなりの広さと美しさ。
(わー♪わー♪ここを、私一人が使えるの!?)
こんなラッキーなことがあるなんて♪
パッと見ただけで飾られている装飾品もだけど、アメニティーグッズも充実してる。