彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「あーあ、これじゃあ、俺の立場ないじゃねぇか・・・」
「そうでもないぞ、瑞希。いざって時に、迷わず凛たんが背後に隠れてくれるんだからな?よかったなぁ~凛たん、瑞希お兄ちゃんに守ってもらえて?」
「え!?あ、はい・・・」
「瑞希も、ちゃんとお兄ちゃんして、偉い偉い♪」
「ば!?ばかにしてんじゃねぇーぞ!?」
烈司さんの言葉に、お互いの顔を見合わせて赤くなる私と瑞希お兄ちゃん。
(やばい・・・・クラクラしてきた・・・)
みんな、お風呂から体を半分出してるけど、私はアゴまでつかりっぱなし。
それも、瑞希お兄ちゃん達が来る前から結構入っていた。
(どうしよう・・・のぼせる前に、先に瑞希お兄ちゃん達全員をお風呂場から出さないと・・・!!)
「凛、顔が赤いけど平気か?」
「あ・・・だ、大丈夫ですよ?」
「そうか?まぁサービスのジュースでも飲めよ。」
そう言って、水滴のついたグラスを差し出される。
「あ・・・ありがとうございます。」
それを受け取ると、彼らに背を向ける。
そして、顎までつかっていた体を首までだす。
背中を向けたのは、のどぼとけのない首を見られないようにするため。
コソコソしながら、ゴクゴクと冷たい飲み物を飲みほす。
(助かったわ!水分補給すれば、のぼせるまでに時間を稼げる・・・・!)
そう思って、全部飲み干すはずだったんだけど。
「凛って、うなじが色っぽいよな?」
「ぶばっ!!」
(い、色っぽい!?)
瑞希お兄ちゃんからの一言。
半分ふきだしてしまった。
〔★のぼせるまでの時間が短縮された★〕