彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「出て行けって、凛・・・・そんなに~」
「もう!!出て行って下さい!!しばらく一人にして下さいっ!!」
「明け方に近い時間に騒ぐな凛道。それぐらいですねるな。」
「そうよ、凛ちゃん。なにも、あたし達まで~」
「いいから1人にして下さい!」
瑞希お兄ちゃんに出て行ってもらうだけではだめ。
その手ごわい仲間達も追い出さなきゃいけない。
身を守るためなら、なんでもする。
「なんですか、みなさん!貧弱な体の僕に自慢するように、鍛え抜かれて引き締まったカッコいい身体を見せつけて!!」
なんでも言う。
「え!?ちょ、凛たん!?」
「否定はしねぇが~!!」
「それだけでも、僕のガラスのハートに、ひびが入りましたよ!お願いですから、先に上がってください!出て下さいよ、この男前で、美形で、モデルみたいで、ワイルド系の先輩達も!!」
泣き落としもする。
事実とお世辞も言う。
「り、凛たん・・・」
「凛道。」
「凛ちゃ~ん・・・」
「わははははは!俺様の良さをわかってるじゃねぇか!?」
「カッコいい瑞希お兄ちゃんもです!早く出て下さいよ!!」
「・・・わーったよ。」
私の訴えを受け、近くにいた瑞希お兄ちゃんが言った。
「・・・じゃあ、先に上がるからな?」
「あ・・・」
(やだ・・・悲しそうな顔してる・・・・)
てか、私がさせちゃったのか・・・
でも、こうしないと、女の子だってバレるし・・・
(・・・・・・・・・だけど、ここまでして隠す必要あるかな?)
もうバラしてもいいんじゃないのか?
だけど、瑞希お兄ちゃん1人だけならいいけど、他の人に女の子の体をさらしたくないから・・・
「・・・・・ごめんなさい・・・・今だけ、僕のわがまま、聞いてください。」
「・・・・ばか。甘えろって言ったのは俺の方だ。」
「え?」
ザバッ!
優しい言葉と一緒に見ず音がした。
思わず見上げれば、月明かりに照らされた彼が私を見降ろしていた。
「ちゃんと、100数えてから出るんだぞ?」
きゃしゃなのに筋肉質で、水滴をはじく美しい肌。
上から下まで、美術品みたいで綺麗な人。
目がそらせず、焼きつけてしまう。
(・・・・・・・・・また、全身像を見ちゃった・・・・・・・・・・)
〔★別名、全裸という★〕