彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「凛、俺がわかるか、凛!?」
「瑞希お兄ちゃん・・・・!?」
湯船の中で横抱きにされていた。
横抱きに近い形というか・・・前に瑞希お兄ちゃんとお風呂に入った時みたいに、瑞希お兄ちゃんの膝の上に乗っていた。
今度は、片膝立てた彼の体の間に私の体が挟まっていた。
私の背中が彼の胸板に合わさっているだけで、前部分は一切触れていない。
私のおっぱいは、瑞希お兄ちゃんに触れていない。
(た、助かった!!)
抱き合う形で助け起こされていたら、完全にアウトだった。
しかし、危機が去ったわけではない。
「瑞希、おそらくのぼせたんだろう!早く湯船から出せ!」
「凛たんを・・・・脱衣所に運べ!体は、バスタオルでくるめ!」
「ほら早くして!濡らしたタオルと、女将さんに連絡して、冷たい物持ってきてもらうように連絡したから!」
「その間は温泉の冷水で我慢しやがれ!!」
(ま、まだ助かってなーい!)
このままでは、湯船から出されてしまう!
「おう、わかった!今凛を湯船から――――――――――!!」
「う、動かないで!!」
とっさに叫んだ。
「動かないで瑞希お兄ちゃん!」
「う、動かないで、だぁ!?」
「馬鹿者!きさまは、のぼせているんだぞ、凛道!?」
「凛ちゃん、誰も凛ちゃんの体を気にしないからいらっしゃい!!」
「緊急事態だから、マジでそういうこと言ってる問題じゃないんだぜ!?」
「凛助っ!!」
「ち、違う!のぼせじゃなくてこれは~~~~!!」
パニックになった私は、その場の勢いで叫んだ。