彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「お湯の中に誰かいます!!!」

「「「「「はあ!?」」」」」

「あ、足!足を引っ張られて、それで転んで~!!なにかいます、この中!!」

「「「「「なにっ!!?」」」」」」






それで今度は違った意味で真顔になる初代龍星軍メンバー。

海でのこともあったので、みんな、上手く連想してくれたようだった。





「イ、イオリン、ここの温泉って・・・・!?」

「源泉を引いてるか、湧き出ているはずだが・・・・」

「れーちゃん!!」

「瑞希、凛たんから離れるな!動くな!」

「わ、わかった!?」

「わはははは・・・マージかよ・・・!?」





(ご、誤魔化せた・・・・!?)





ホッとした半面、助かったなんて思ってない。





(だって、優しい5人(?)のお兄さん達が、私を1人にするはずがないもの・・・・。)





危険がないかくまなく捜索した後で、一緒に出ようと誘われ・・・強制連行されるはず。






(バレる時間が伸びただけ・・・・・)





やっぱり・・・・瑞希お兄ちゃんとの旅行、断るべきだったの・・・・!?

深く後悔した時だった。








「きゃああああああああ!!」







突然あがる悲鳴。





「な、なに!?」

「女湯から!?」





驚く私の隣で瑞希お兄ちゃんがそう言う。

それに続くように、竹で出来た壁がぶち破られた。








バキバキバキ!!


「いてぇ!」





竹を払いのけるように、水着姿の男が出てくる。

顔にはゴーグル、手には竹筒とカメラを持っていた。







「誰か捕まえて――――――――のぞきよぉ!!」

「「「「「「のぞきっ!!?」」」」」」

「あ!?くそ!人がいたのか・・・!」






女性の声に反応し、私達を見て男は舌打ちをすると、脱衣所とは反対の壁へと向かい、そこに生えている木に登り始めた。

突然のことに私は呆気にとられたけど、他の方々は行動が早かった。



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