彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「なによあいつー!?のぞきですって!?あたし達女の敵じゃない!?」
「人類の敵=犯罪者だな。」
「我々が脱衣所にいるので、木を登って、枝伝いに、逃げる気らしい。」
「わはははははは!!合法的に人間ぶちのめすチャンスがキタ――――――――――――!!」
「みなさん!?」
「「「「逃がすかっ!!」」」」」
そう言いあうと、それぞれの浴衣を身にまとい、下着をはいたり、はかなかったりして、帯をしめると、いっせいに走り出す瑞希お兄ちゃん以外の4人。
「み、瑞希お兄ちゃん、あれ・・・!?」
「くっそ!こうしてられっか!」
そう言うなり、乱暴に私への横抱きを解除する。
ザブン!と音を立てながらその場に立ち上がる。
「あう!?」
おかげで、間近で再び瑞希お兄ちゃんの体を隅々まで見ることになる。
「あ、あの!前を隠し~~~~!!」
「凛、ここを動くなよ!?」
「え?」
「俺はのぞきを追いかける!凛はここで待ってるんだぞ!?」
「ええ!?」
「野郎、逃がすかよっ!!」
そう言って全裸でお湯から飛び出すと、素早く下着をはいて、浴衣と帯を・・・特に帯を適当に結ぶと、浴室へとユーターンしてくる愛しいお方。
「オメーら!つーか、のぞき!!待てコラ――――――――!!」
〔★瑞希達は現行犯逮捕に走った★〕
「・・・・・え・・・・?」
あっという間の出来事。
なにが起きたのか、ボー然としていれば、女湯から声が聞こえてきた。
「お客様、大丈夫でございますか!?」
「うわーん、見られたァ~」
「あたくし、お嫁に行けませんわ~」
「最低!早く捕まえて下さい!」
「撮られたかも!」
「でも代わりに、椿油のシャンプーぶっかけてやったわ!」
「だけど、こわかったよぉ~」
「どうか、どうか落ち着いてください!みんな、お客様を誘導して!」
(これは、女将さんと・・・・さっきのお姉さんの集団!?)
被害者はさっきのお姉さん達だったんだ。
理解すると同時に思う。
(誰もいなくなった今がチャンスだ!!)
早く、凛道蓮に戻らなきゃ!!
素早く湯船から飛び出して岩陰に身を隠す。
近くに置いていたバスタオルで体を覆う。
同時に、隠していたさらしを入れていた、たらいをつかみ、脱衣所に駆け込んだ。
〔★凛は着がえに走った★〕