彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「なによあいつー!?のぞきですって!?あたし達女の敵じゃない!?」

「人類の敵=犯罪者だな。」

「我々が脱衣所にいるので、木を登って、枝伝いに、逃げる気らしい。」

「わはははははは!!合法的に人間ぶちのめすチャンスがキタ――――――――――――!!」

「みなさん!?」


「「「「逃がすかっ!!」」」」」





そう言いあうと、それぞれの浴衣を身にまとい、下着をはいたり、はかなかったりして、帯をしめると、いっせいに走り出す瑞希お兄ちゃん以外の4人。





「み、瑞希お兄ちゃん、あれ・・・!?」

「くっそ!こうしてられっか!」





そう言うなり、乱暴に私への横抱きを解除する。

ザブン!と音を立てながらその場に立ち上がる。





「あう!?」





おかげで、間近で再び瑞希お兄ちゃんの体を隅々まで見ることになる。





「あ、あの!前を隠し~~~~!!」

「凛、ここを動くなよ!?」

「え?」

「俺はのぞきを追いかける!凛はここで待ってるんだぞ!?」

「ええ!?」


「野郎、逃がすかよっ!!」





そう言って全裸でお湯から飛び出すと、素早く下着をはいて、浴衣と帯を・・・特に帯を適当に結ぶと、浴室へとユーターンしてくる愛しいお方。





「オメーら!つーか、のぞき!!待てコラ――――――――!!」





〔★瑞希達は現行犯逮捕に走った★〕



「・・・・・え・・・・?」





あっという間の出来事。

なにが起きたのか、ボー然としていれば、女湯から声が聞こえてきた。





「お客様、大丈夫でございますか!?」

「うわーん、見られたァ~」

「あたくし、お嫁に行けませんわ~」

「最低!早く捕まえて下さい!」

「撮られたかも!」

「でも代わりに、椿油のシャンプーぶっかけてやったわ!」

「だけど、こわかったよぉ~」

「どうか、どうか落ち着いてください!みんな、お客様を誘導して!」





(これは、女将さんと・・・・さっきのお姉さんの集団!?)





被害者はさっきのお姉さん達だったんだ。


理解すると同時に思う。





(誰もいなくなった今がチャンスだ!!)





早く、凛道蓮に戻らなきゃ!!





素早く湯船から飛び出して岩陰に身を隠す。

近くに置いていたバスタオルで体を覆う。

同時に、隠していたさらしを入れていた、たらいをつかみ、脱衣所に駆け込んだ。





〔★凛は着がえに走った★〕



< 92 / 453 >

この作品をシェア

pagetop