彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
(のぞきは悪いことだけど、今回はグッジョブ!!)
「(凛道蓮に)変身よ!」
犯罪者に少しだけ感謝しながら、大急ぎで体を拭く。
男子用のボクサーパンツをはいて、さらしをキツく巻く。
アンダーシャツにそでを通し、レギンスをはいて準備完了。
浴衣を右前にして、帯をしっかり閉め、最後にサングラスをかける。
「バッチリOK!龍星軍四代目総長、凛道蓮参上!!」
誰も見てないのに、ビシッとポーズを決める。
そして、露天風呂の方を見る。
「このまま、私も追撃すればいいわけだけど~・・・・」
(今から追いかけて、瑞希お兄ちゃん達に追いつけるわけがない・・・。)
「それにのぞきをするということは、土地勘があるのかもしれない・・・」
(最初は脱衣所から逃げようとしたのは・・・館内の防犯カメラの位置も把握してるのかもしれない・・・!)
そう思う間に体が動いていた。
カランコロンと下駄を鳴らしながら、男湯から外へ出る。
「凛道様!?」
「女将さん!」
外には、女将さんと男性従業員がいた。
だから私は迷わず聞いた。
「女将さん!館内で、防犯カメラがない場所ってどこ!?」
「え!?凛道様、のぼせたのでは・・・」
「いいから!のぞきを逃がしていいんですか!?」
「に、西側にある庭園になりますが・・・!?」
「どっちです!?」
「あちらに・・・」
「ありがとうございます!」
指さす方向へ一目散に走る。
「凛道様――――――――――!?」
名前を呼ばれたけど、スルーして走った。