契約婚で嫁いだら、愛され妻になりました

【お疲れ様です。病院では異常などありませんでしたか? 順調なようでしたら、明日から自室で休みますね。
長らくお邪魔してすみませんでした。 鈴音】

 翌朝、鈴音は寝癖頭も直さず、真っ先にリビングへ向かった。
 休日だけれど目覚めた時間はいつもと同じ。

 リビングに辿り着くと、今日も忍はすでに出たあとだった。

 昨夜夕食に添えていたメモがない。

 思えば、今回だけではなく今までメモはすべて忍が処理していることに気がついた。
 これまでそんなこと気にも留めていなかったが、今日は違う。

 内容が内容なだけに、敏感になっていたせいだ。

(ご飯は食べてくれているし、メモも、ないっていうことは見てくれたっていうことだよね)

 鈴音はキッチンに下げられていた食器を、どこかもの淋し気に見た。

 朝食をとり軽く身支度を済ませると、掃除を始めた。掃除機を順にかけていき、主寝室へと足を踏み入れる。
 ベッドを綺麗に整え直し、掃除機のスイッチを入れようとした。

(あ、手帳そのままだった)

 鈴音は膝を付き、ベッドの下を覗き込む。
 自身の手帳を見つけて手を伸ばすと、ほかになにかが落ちているのに気がついた。

 ペンでも落としたかと思ったけれど、手帳にはペンが挟まっている。
 首を傾げ、さらに奥へ手を伸ばすと、USBメモリが出てきた。

 見た感じだと、ごく最近落としたのではないかと思うように状態のいいものだった。
 鈴音は暫し手の中のUSBを見て、忍に連絡するべきか迷う。
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