契約婚で嫁いだら、愛され妻になりました
それから二日が経った。
忍とはまたすれ違うような生活を、なんとなく惰性で過ごしていた。

休日の鈴音は、午前中から外出していた。行き先は区役所。必要書類を取るためだ。

婚姻届けを用意した際に、忍も同時に本籍地を今のマンションに変更する旨を聞いていた。

なんの疑いもなく、最寄りの区役所に向かい、到着すると戸籍謄本を一部申請する。

数分後、番号を呼ばれて窓口へ向かった。

「申し訳ありませんが、ご記入いただいた内容の戸籍はございません。ご住所等、お間違えありませんか?」
「え?」

やや訝し気な目を向けられ、鈴音は困惑する。
提出した書類を戻され、その場でもう一度確認する。しかし、内容に間違いは見受けられない。

「でも、住所も名前も間違っていないんですけれど」

鈴音が掛けあうも、窓口の女性は困った顔をするだけ。
鈴音は混乱しながらも、ひとつずつ経緯を遡る。

この住所に戸籍がないということは、忍の戸籍が移動されていないのかもしれない。

その理由は定かではないが、そうだとすれば本籍がどこかわからない鈴音にはどうすることもできない。

ふと思う。
婚姻届けは柳多が届け出たと聞いた。柳多のような人間ならば、提出を忘れたりミスなどしないだろう。

鈴音は嫌な予感がして、女性に願い出る。
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