契約婚で嫁いだら、愛され妻になりました
「きみの男性遍歴が酷すぎる。たぶん、もう男には懲りているだろ。ストーカーの件もまだ最近のことだしな。これで、懲りずに頭の中がお花畑なら呆れるレベルだ」
「う……」
「オレもバカじゃないんでね。そういう恋愛脳しかない女だったら、こんな話を持ちかけたりしない」
忍の見解がもっともすぎて、言葉も出ない。
鈴音は降参するように肩を落とし、力なく尋ねる。
「……いったい、昔の話までどうやって知ったんですか?」
「オレの秘書が、同フロアの陸奥という女性から仕入れた話と言っていた」
(梨々花? そんなこと聞かれたとか話をしたとか聞いてない。いつの間にそんなことを)
呆気に取られ、開いた口が塞がらずに忍を見る。
「どこか情報に間違いでも?」
自信ありげに口の端を上げ、優雅にシートへ凭(もた)れる。
その、なにもかも思い通りにいくというような態度が、鈴音はなんだか悔しくなる。
(だからって、馬鹿げてる。こんな取り引き!)
心の中で大きく憤慨し、つんと顔を背けた。
「無理です。ほかをあたってください」
「さっきも言ったはずだ。時間がない、と。それに、きみが先に言い出したんだろう?」
「はっ……? な、なにをですか?」
おもむろに上体を起こし、ハンドルに腕を乗せながら言う忍に、怪訝そうに聞き返す。
(結婚したいだなんて、そんなこと言った記憶なんてない!)
鈴音は、まるで自分が先に、『結婚してほしい』と言ったように返され、眉間に皺を刻む。
忍は、淡々と言った。
「う……」
「オレもバカじゃないんでね。そういう恋愛脳しかない女だったら、こんな話を持ちかけたりしない」
忍の見解がもっともすぎて、言葉も出ない。
鈴音は降参するように肩を落とし、力なく尋ねる。
「……いったい、昔の話までどうやって知ったんですか?」
「オレの秘書が、同フロアの陸奥という女性から仕入れた話と言っていた」
(梨々花? そんなこと聞かれたとか話をしたとか聞いてない。いつの間にそんなことを)
呆気に取られ、開いた口が塞がらずに忍を見る。
「どこか情報に間違いでも?」
自信ありげに口の端を上げ、優雅にシートへ凭(もた)れる。
その、なにもかも思い通りにいくというような態度が、鈴音はなんだか悔しくなる。
(だからって、馬鹿げてる。こんな取り引き!)
心の中で大きく憤慨し、つんと顔を背けた。
「無理です。ほかをあたってください」
「さっきも言ったはずだ。時間がない、と。それに、きみが先に言い出したんだろう?」
「はっ……? な、なにをですか?」
おもむろに上体を起こし、ハンドルに腕を乗せながら言う忍に、怪訝そうに聞き返す。
(結婚したいだなんて、そんなこと言った記憶なんてない!)
鈴音は、まるで自分が先に、『結婚してほしい』と言ったように返され、眉間に皺を刻む。
忍は、淡々と言った。