結構な腕前で!
そんな二人のやり取りを知らない萌実は、部室の台所で片付けをしていた。
「遅くなり申した!」
野太い声と同時に、がらがら、と茶室の戸が開く。
「おお南野殿。片付けなれば、わしに言うてくだされ」
萌実の姿を認めるや、土門は急いで廊下に上がる。
みし、と廊下が軋んだ。
「あ、いえ。もう終わりますし。土門くんは、道場に行って欲しいそうですよ」
萌実が言うと、土門はすぐに「わかり申した」と言って出て行った。
---せとか先輩は、土門くんとはるか先輩をくっつけようとしてるのかな---
土門を見送り、片付けを終えて、萌実は部室に戻った。
「あれ? 橘先輩たちは?」
茶室の中にはせとかしかいない。
「はるみは先に帰りましたよ。お菓子の買い出しもありますし。はるかは道場です」
「あ、そ、そうなんですね」
せとみも帰ったようだ。
お菓子に釣られたのか、もしくは道場が心配でそっちに行っているのか。
どうしたもんか、と思っていると、せとかがちらりと視線を上げた。
「もう少しで道場の掃除も終わると思いますから、待っておいたらどうですか」
「あ、でも。土門くんもいるんですよね」
待っていてもあの二人と帰るとなると、完全にお邪魔虫ではないか。
だがせとかは、少し不思議そうな顔をした。
「別にあの二人はどうでもいいではないですか。僕が、道場のチェックをしないといけないので、待って貰わないといけないんです」
「あ、じ、じゃあ待ってます」
ぎくしゃくと萌実が座る。
思えばいつもせとかが送ってくれる。
部活が終わる頃は日が落ちかけなので、むしろ暗いよりも危ない、と初めに言っていた。
たまに一人のときは、早く部活が終わったときだ。
あとははるみもよく一緒に帰るが、圧倒的にせとかが多い。
「遅くなり申した!」
野太い声と同時に、がらがら、と茶室の戸が開く。
「おお南野殿。片付けなれば、わしに言うてくだされ」
萌実の姿を認めるや、土門は急いで廊下に上がる。
みし、と廊下が軋んだ。
「あ、いえ。もう終わりますし。土門くんは、道場に行って欲しいそうですよ」
萌実が言うと、土門はすぐに「わかり申した」と言って出て行った。
---せとか先輩は、土門くんとはるか先輩をくっつけようとしてるのかな---
土門を見送り、片付けを終えて、萌実は部室に戻った。
「あれ? 橘先輩たちは?」
茶室の中にはせとかしかいない。
「はるみは先に帰りましたよ。お菓子の買い出しもありますし。はるかは道場です」
「あ、そ、そうなんですね」
せとみも帰ったようだ。
お菓子に釣られたのか、もしくは道場が心配でそっちに行っているのか。
どうしたもんか、と思っていると、せとかがちらりと視線を上げた。
「もう少しで道場の掃除も終わると思いますから、待っておいたらどうですか」
「あ、でも。土門くんもいるんですよね」
待っていてもあの二人と帰るとなると、完全にお邪魔虫ではないか。
だがせとかは、少し不思議そうな顔をした。
「別にあの二人はどうでもいいではないですか。僕が、道場のチェックをしないといけないので、待って貰わないといけないんです」
「あ、じ、じゃあ待ってます」
ぎくしゃくと萌実が座る。
思えばいつもせとかが送ってくれる。
部活が終わる頃は日が落ちかけなので、むしろ暗いよりも危ない、と初めに言っていた。
たまに一人のときは、早く部活が終わったときだ。
あとははるみもよく一緒に帰るが、圧倒的にせとかが多い。