結構な腕前で!
「ところではるか先輩は、最近見ませんけどどうしたんです?」

 はるみとの帰り道、ふと思いついて聞いてみた。
 萌実が華道部に行っていた間は知らないが、その前から部活では姿を見ていない。
 テスト前だったこともあるが、基本的に茶道部は通常運転だったはずだ。

「柔道部に入りびたりよ」

「え、いいんですか?」

 ていうか土門も兼部とはいえ一年なのだから、ちょっとは遠慮しろよ、と内心思いながら、萌実ははるみを窺った。

「土門くんは柔道部の有望株だから、まぁいいとして。はるかはねぇ、ほんとは良くないんだろうけど」

 戦闘要員が二人に後始末が一人というのは結構キツイの、とぼやく。

「せとみは後のこととか考えずに魔を撒き散らすしね。ま、今は萌実さんが戻ってきてくれたからいいんだけど。はるかのことはね、ほら、せとみのこともあるでしょ。距離を置く分にはいいと、せとかも思ってるんだと思う。でないととっくにキレてるわ。部活をさぼるのは許さない人だからね」

「そうですね。前は説教してましたもんね」

 せとかの怒り方は、キレるというよりは『お説教』だ。
 それがまた怖いのだが。

「そういやせとみ先輩は、結局どうなんですかね。はるか先輩のことは、もういいんでしょうか」

 小さい頃からずっと想い続けていた人を、いきなり現れた他人に横から掻っ攫われたわけで、しかも周りに味方もいない。
 なかなかキツイ状況ではないだろうか。

「どうかしらね。ていうか、せとみだって本気ではるかを好いてたんだか、わかんないところもあると思うわよ? だって小さい頃から一緒なのよ? しばらく離れてて、何年かぶりに再会したってんならわからないでもないけど。ずーっとがっつり一緒にいたら、それはもう家族じゃない? 好きだけど、そういう対象にはならないわよ」
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