結構な腕前で!
「魔の出現率はどうだ?」

「そうですわね……。いつもより少ないでしょうか。だから、びーちゃんのお腹を満たしてないのかと思ってるんですけど」

「あいつらは腹に収めるというよりは、腹が異空間に繋がってるんじゃないのか? 食うっつっても齧るだけみたいだし」

 びーちゃんが食い付いた魔は、がじがじと削られて、ぼろぼろと崩れ、びーちゃんの足元(?)の異空間に落ちていく。
 それが食事というか。

「魔がないと、あいつらは生きていけないのかな」

「そうかもしれませんわ。あれはあくまで、魔と対になるものでしょうから」

 なるほど、魔に対応するためにできた植物であるなら、魔がいなくなったら消えてなくなるのかもしれない。

「真行寺家は、昔からそういう空気を見る役目だったんだな。贄を差し出し、魔を鎮めて、最終的にあの植物で、魔がどれほど減ったのかを見る」

「その通り。いわば祭祀のようなものですわ」

「じゃ、やっぱり真行寺にも協力して貰わないとだな」

「何をすればよろしいの?」

 せとみは、ちょいと裏山を指した。

「やっぱりあの山が、魔の巣窟みたいだ。で、せとかが言うには、山頂に親玉がいるらしい。そこを狙う」

「親玉というか……多分親玉に通じるところ、でしょうね」

「道ってことか?」

「と言いますか。びーちゃんを見てもわかりますでしょ。びーちゃんは、根を張って空間を作り出す。魔もそうなのでは? あそこに、魔が出てくる穴があるのでしょう」

 なるほど、と、せとみは膝を打った。

「贄で魔を大方始末してしまえば、穴は自然と閉じるんだと思います。元々偶然開いてしまったような穴でしょうしね」

「そうだな。時代時代で膨らんだ魔が、向こうから押し開けたんだろうし。開きやすい土地柄っていうのはあるんだろうが」

 なら強制的に閉めることだってできるはずだ。
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