結構な腕前で!
「裏部長であるせとみ様の手をここまで煩わせたのですから、できることで恩返しをするのが礼儀でしょう。それともその体格は張りぼてで、根暗部長の一人も運べないほどひ弱なのかしら?」
別に由梨花は立ち上がっているわけではない。
寄りかかっていた上体は起きているが、座ったままだ。
なのに誰より大きく見える。
まるで文字通り上から見下されているかのようだ。
「う、そ、そうじゃな。確かにそれほど、わしはお役に立っておらぬし」
由梨花の剣幕に押されたのか、土門がよろよろと起き上がる。
言い方はともかく、由梨花の言ったことに間違いはないからだ。
「待って、土門くん。そんな、部外者の言うことなんか聞くことないわよ。土門くんが一番疲れてるんだし」
はるかが土門を引き留める。
が、逆効果だったようだ。
「全くもって面目ない。確かにその御仁の言う通り、部長殿に比べれば、わしの体力は体格に見合わぬ張りぼてよ」
「あっ! 違うのよ! 土門くんが一番疲れるのはしょうがないのよ! こればっかりは、体力の問題だけじゃないんだからっ」
慌ててはるかが後を追うが、そのはるかをせとみが呼び止めた。
「危ねぇかもしれんから、はるかは残れ」
「嫌よっ! 危ないかもしれないなら、なおさらだわ!」
「馬鹿か。お前まで動けなくなったらどうする。せとかたちを見つけたって、お前にできることがあるか? 足手まといでしかないんだから、行ってもしゃあねぇだろ!」
せとみにしては珍しく、はるかを叱りつける。
ぐ、とはるかが口を噤んだ。
が。
「せとみの馬鹿っ!」
叫ぶや、はるかは外へ駆け出していく。
「おいっ」
せとみが腰を浮かせると同時に、ひゅん、と何かが飛んだ。
それははるかの背後に迫り、彼女の靴の踵の下部を、どす! と地に縫い付けた。
別に由梨花は立ち上がっているわけではない。
寄りかかっていた上体は起きているが、座ったままだ。
なのに誰より大きく見える。
まるで文字通り上から見下されているかのようだ。
「う、そ、そうじゃな。確かにそれほど、わしはお役に立っておらぬし」
由梨花の剣幕に押されたのか、土門がよろよろと起き上がる。
言い方はともかく、由梨花の言ったことに間違いはないからだ。
「待って、土門くん。そんな、部外者の言うことなんか聞くことないわよ。土門くんが一番疲れてるんだし」
はるかが土門を引き留める。
が、逆効果だったようだ。
「全くもって面目ない。確かにその御仁の言う通り、部長殿に比べれば、わしの体力は体格に見合わぬ張りぼてよ」
「あっ! 違うのよ! 土門くんが一番疲れるのはしょうがないのよ! こればっかりは、体力の問題だけじゃないんだからっ」
慌ててはるかが後を追うが、そのはるかをせとみが呼び止めた。
「危ねぇかもしれんから、はるかは残れ」
「嫌よっ! 危ないかもしれないなら、なおさらだわ!」
「馬鹿か。お前まで動けなくなったらどうする。せとかたちを見つけたって、お前にできることがあるか? 足手まといでしかないんだから、行ってもしゃあねぇだろ!」
せとみにしては珍しく、はるかを叱りつける。
ぐ、とはるかが口を噤んだ。
が。
「せとみの馬鹿っ!」
叫ぶや、はるかは外へ駆け出していく。
「おいっ」
せとみが腰を浮かせると同時に、ひゅん、と何かが飛んだ。
それははるかの背後に迫り、彼女の靴の踵の下部を、どす! と地に縫い付けた。