初恋のキミは最愛ヒーロー
「とにかく、見舞いは必要ない。明日は学校に行けるだろうから」
『それじゃあ、また後でね!』
「あっ、おい…」
強制的に話を終了させた上に、電話も勝手に切りやがって…。
強引すぎるだろ。
溜め息を零しながら、枕元にスマホを放り投げた。
どうせ、断りの電話をかけ直したところで、アイツらの意志は揺るがないだろうから、無駄な抵抗は止めよう。
それより、部屋を少し綺麗にしておいた方がいいよな…。
俺は、昨日の夜に着替えて放置してあった服を素早く拾い上げた。
桃舞だけならともかく、碧瀬も来るわけだし。
階段を降りて、脱衣所の洗濯機に衣類を放り込むと、再び部屋に戻ってきて軽く掃除をした。
そう言えば、家に女子が来るのは初めてか…。
……って、なんで少し緊張してんだ。
碧瀬は、ただの友達だろ、友達。
ベッドの端に腰を下ろした俺は、クシャクシャと頭を掻いた。